立花隆 『宇宙からの帰還』

chinneng's blog: 理解不能 - 書評 - 宇宙からの帰還

高校時代は今に比べて結構本を読んでいたのですが、
そのなかでも自分にとってはかなり思い入れのある本。

買ったのは確か阪急石橋駅前のちっちゃい本屋で、
一晩で読み終わって当時仲の良かった友達にこれ絶対凄いから、読め!といって渡した覚えがあります。
回し読みしたあとは、ふたりして宇宙やべー超いきてーってなってました。

僕は文系だったのでとりあえず大学は人文学系の勉強をして、
いずれ心理学者や哲学者が宇宙に必要になったときに行けるようにしよう、
などとアホなことを考えていました。結局そういう道にも進まず来てしまいましたが…。
友達はその時「俺はパイロットになる、それがダメならレーサーになるわ(何故?)」と言っていたのですが、
大学で別れてしばらく会わないうちに、いつのまにかANAパイロット(まだ候補生だけど)になっていました。
(ちなみに大学ではグライダー部だったそう)

このあいだ数年ぶりに再開したときにこの話をしたら、
「民間のパイロットから宇宙飛行士になった例が日本でも出たぞ、知ってるか?」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090226/135028/
と頼もしいセリフを吐きやがってくれたので、
ヤツはいずれこの本で紹介されている宇宙飛行士たちがみた世界を実際に経験して来ることでしょう。

読めば地球における体験との、広くて深い断絶が感じられる。理解は出来ないが、何かあるということだけは分かる。

そうなんですよ、この「なにかある」という感覚が、物凄い魅力的。
その感覚だけで、人の人生を左右してしまうほどの力がこの本、というか宇宙にはあるみたいです。

帰ったら読み返してみようかな。